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オープンな組織とABCモデル
組織人の行動フレームの構造

ABCモデルの原型
  − オープンな組織 −

我々の生活には「日常」があります。家庭での「日常」、仕事場での「日常」と言う具合です。それを、旅先での「日常」、船旅での「日常」と少しずらしてみます。一寸変な感じがしますが、それでも「日常」の感覚はお分かりと思います。「日常」の共通点は、それを取り巻く空気の違いはあるが、どう振舞うかが常識で判ると言うことです。僕らはそれぞれの空気のもたらす常識をもって「日常」を過ごしていると言うことです。

船による世界一周では、旅客は豪華客船という空気の中で過ごします。そこではの常識は、こんな立派な船が沈むはずはないということなので、それが沈むなんていうことは旅客の思考の外です。そんな船が船長も気が付かない原因によって沈む運命にあるとします。その、見た目では船が沈むはずがないと思える状況で船が沈むと察知するにはどういう仕組みが必要なのでしょうか。そのためには小さな異変からそれを洞察できる能力のある人が必要です。それができるためには船の中の出来事を「日常」やそれを取り巻く空気のフレームにとらわれて解釈するのではなく、そこから抜け出して船全体の動きに関連付けて観察する視点が必要です。つまり我々の意識が「日常」を取り巻く空気そのものを観察していないとできないということです。それがシステム的にできるためには「日常」を取り巻く空気のフレームのさらに上位にメタのフレームを意識していなければならないということです。

この話を日本の今の企業の話に持ち込みましょう。企業のビジネスが永続的に行えるためには売ろうとしている商品やサービスは何らかの形で社会に付加価値をつけるもののはずです。その必要性が明らかにだれにでも分かるものであれば、後は品質や値段の問題であり、そこは日本が今までうまかったことで、いまさら議論する必要はありません。しかし問題はインターネットパラダイムの時代を迎えて、古いパラダイムの商売を作り出してきた社会そのものがゆきずまっていることです。そんな中で社会に付加価値をつけるビジネスは、新しい社会を作ることに関連してなされるはずです。企業における現状のフレームの上位に、それがほんとに良いのかどうかを理屈付ける社会の流れを観察フレームがなければなりません。そしてその観察視点によって、企業そのもののフレームを変えられるような組織にせねばなりません。今後予想される激しい環境変化に耐えて継続したビジネスを行うためには、このメタフレームの観察視点は常時起動されていなければなりません。このような組織をオープンな組織と言っておきましょう。これからますます多様になる価値観の時代には企業のあり方そのものが社会に付加価値をつけるべく、オープンな組織とそれを運営するオープンな人が要請されます。

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