組織の横調整:
-会議による調整vs情報共有による自律調整-
情報をコピーで回覧するしかなかった時代には、垂直ライン型の組織を通して縦方向にコミュニケーションするのが全体として情報伝達効率がよかった。一方組織をマーケットにあわせて動かすにはどうしても他部署との横の連絡や調整が必要である。従来のライン組織では、ざっくりいって「課」が縦型の実行部隊で、その上の「部」とか「本部」は実行部隊間の横方向の調整役をしていた(左図)。ネットの時代ではその大前提が崩れ、一箇所に於いた情報は場所と時間を問わずに誰でも瞬時に見ることが出来る。そうなれば調整役としての部とか本部のような組織のあり方は当然変る。その様子を少し極端に描いたのが右の図である。右の図でも実際の組織では部とか本部のようなライン機能が必要となるが、それらは従来に比べてフラットになるし、何より重要なのはそれらに横のコミュニケーションが自律的に行われるようにする責務が求められることである。そのときの管理者はオープンな志向を持ち合わせるのが必須となると同時に、情報共有のためのITインフラが欠かせないことになる。