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ABCモデルとは何のためか

マウス等々を発明したことで有名なエンゲルバート博士から彼の持つABCモデルの説明を受けている時に「みんな自動車は何故走るのかと考えるとき、エンジンとかハンドルとかアクセルとか、自動車の中のことを考えるが、そうではなくて、石油を掘って、タンカーで運んできて、精製して、ガソリンスタンドや道路が作られているから走るので、砂漠の真ん中では自動車は走らないのだと考える必要がある」と言われた。僕らは自分が持つことになった概念フレームの中で話すことで日常をすごしている。しかしエンゲルバート氏はこれからは日常の行動(これを彼はAあるいはBActibvityといっているのだが)を過ごすために何気なく使っている思考概念の外を考えなければいけない時代なのだ、といわれたのだ。そしてそれをC−Activity、そのような話をするコミュニティーをC-Communityと命名されている。このことは企業にとって何を意味するのだろうか。

企業は社会に貢献することで存在意味を持つ。今の経済システムは社会が求めていることを行うことによってお金が回る仕組みだ。書類ベースで情報交換していた時代が終わって、インターネットインフラができて、情報が世界の何処でも誰にでも即座に伝えられる時代になり、いろいろ今までになかったようなことが頻発しているが、その一つが今まで日本をリードしてきた企業の業績が総じて落ちてきているし、そこで働いている社員にも元気がないし、それを取りまとめていた国の勢いもなくなってきている。それは今の社会がこれまでの企業の在り方とは違うものを求めだしていることを示している。そこで必要となるのが、社会が何を求めているのか、その初心に返って新しい経営フレームを作ることだ。ABCモデルはそのとき必要となる我々の意識改革のためのよりどころとしての提案である。

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